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The Fascial Distortion Model (FDM) is am anatomical perspective in which the underlying etiorogy of virtually musculoskeletal injury is
considered to be comprised of one or mere of six specific pathological alterations of the body's connecting tissues.
 
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オステオパシーFDM

手技療法(月刊誌)論文掲載

膝の損傷(半月板損傷、十字靭帯断裂など)に対するFDMアプローチ

Typaldos core member  FDM official instructor
FDM Asian Association 代表 田中啓介,FDM.O.


 Introduction はじめに

 多種多様なスポーツが盛んに行われるようになった現在、膝に発生する損傷の頻度は非常に高いものとなっている。そしてそれらの損傷は、整形外科的介入(手術)を必要とされる半月板損傷、靭帯断裂、手術を必要としない靭帯等の部分断裂、捻挫、挫傷、あるいは単にジャンパー膝として片付けられるものなど、その度合いにより様々である。今回は、膝の損傷に対するファッシャルディストーションモデルアプローチを、手術を必要としない靭帯等の部分断裂、あるいは整形外科的介入に反応せず完治することの出来ない損傷に焦点を置き、詳しく解説する。ただし、本技術の文献のみからによる技術の引用、未熟な技術習得、他の概念との混同による実践は、その損傷を明らかに悪化させることをここに明記する。


 Concept 概念

 手術の有無にかかわらず、当院を訪れる膝関節周囲の靭帯、或いは半月板に損傷を持つ患者の損傷のメカニズムは、“捻挫”である。それは不適切な外力が膝関節に加わり、それが関節の許容能力を超えたため組織の異常をきたし“捻挫”と言われる状態となる。また、その外力が極端であったとき、すなわち捻挫をはるかに上回る外力が加わったとき、靭帯の断裂、部分断裂、半月板損傷などの物理的異常を発生させる。そして現在の一般的常識では、靭帯断裂等の異常が確認された場合、その全ての症状が“断裂”あるいは“部分断裂”と言う診断名に起因すると考えられ、“捻挫”の状態ですでに発生していた損傷、すなわち組織の異常については完全に忘れ去られている。しかしながら実際には、たとえ膝を損傷させた外力が一瞬の出来事であったとは言え、膝関節に存在する個々の組織の種類、性質から、多数の損傷が発生し、症状を発生させ、損傷と言う状態になっている。ファッシャルディストーションモデルでは、これらの損傷に存在する組織の変化、すなわち筋膜ディストーションを一つ一つ、独自の鑑別法により分析し、それらに対応する方法で個々の損傷を還元させることにより、速やかな治癒を齎すことが可能である。


 Diagnosis 鑑別

 松葉杖やギブスを装着し、或いは歩行不能のため付き添いに抱えられてオフィスを訪れる患者、特に整形外科での診断を受けていない患者に対し、まず、最初に行わなければならない鑑別は、整形外科的介入の必要性の有無である。それは一般的な整形外科テストにより行われる。そのいくつかを提示する。 


 ラックマンテスト
 ラックマンテストでの明らかな陽性は、十字靭帯の断裂が疑われ、整形外科的処置の必要性を強く示唆している。しかしながらこのテストでの若干の陽性は、FDMテクニックに十分に反応する可能性を秘めている。

 マクマレーテスト(半月板)
 マクマレーテストでの明らかな陽性、特に異音を伴う段発現象は、整形外科的介入が必要となる。しかしながら疼痛のみの陽性であるなら、施術を試みる価値は十分にある。まず適切な施術により完全な膝関節を回復させ、症状を取り除き、その上で再度膝関節より発生する異音を確認し整形外科的処置の必要性を判断する。

 マクマレーテスト(側副靭帯)
 ここでもまた異音と段発現象を伴う陽性は、整形外科的介入が必要となる。しかし疼痛のみの陽性であるなら、FDMテクニックより完全に回復させることが可能である。

 アプレーテスト
 牽引、圧縮にかかわらず、アプレーテストでの陽性もまた、FDMテクニックに反応する可能性は非常に高い割合を占めている。同様に、まず適切な施術により完全な膝関節機能を回復させ、症状を取り除き、その上で再度膝関節より発生する異音を確認し整形外科的処置の必要性を判断する。

  一旦、上記のテストで整形外科的介入の必要性が否定されたなら、或いは施術を試みる価値があると判断されたなら、FDM鑑別システムによりその損傷に存在する損傷、すなわち筋膜ディストーションを判断し、適切な還元方法により正しく矯正する。 そのFDM鑑別システムとは

 ・損傷のメカニズム
 どのような外力が発生し、損傷部位のどの組織にどのような解剖学的変化が発生したのかを考慮する

 ・主観的所見
 患者の痛みの表現を聞き、どの部分がどのように痛むのかを一つの判断材料とする。

 ・観的所見
 可動範囲を検査し、どの動作が制限されているのか、それによりどの部分に症状が発生するのかを観察する。膝関節の場合、膝を抱えて胸に着ける動作、足首を掴み踵を臀部に着ける動作、しゃがむ動作、が判断材料となる。

 ・ボディーランゲージ
 患者が潜在的に痛みを表現する動作を観察し、ひとつの判断材料とする。

   ファッシャルディストーションモデルでは、これら四つの判断材料により、損傷の根底に存在する解剖学的変化、すなわち筋膜ディストーションを検出し、それらに対応する適切なFDMテクニックのより損傷を正常化させる。存在する可能性のある筋膜ディストーションは以下の通り

 
 ・トリガーバンド           直線的筋膜線維の変化
 ・コンテニアムディストーション    組織と骨の間の移行ゾーンの変化
 ・フォールディングディストーション  関節包を含む筋膜線維の三次元的変化


 ギブスや包帯等で固定されていた場合
 ・テクトニックフィクセイション    関節の固着
 ・シリンダーディストーション     円筒状筋膜の変化

 これらのFDM鑑別システムと施術効果を実際の症例を持って解説する。


 Case History 症例

 17歳 女性 NS
 NSさんは、バスケット部に所属する女子高校生である。幼少の頃からバスケットボールを始め、小学校六年生のときには全国を制覇し、その後中学、高校と順調に選手生活を続けていた。しかし2004年5月9日、着地時に左膝を損傷し、彼女の選手生活は大きく変化した。彼女が整形外科で受けた診断は、前十字靭帯部分断裂、内側半月板損傷であった。しかしながら整形外科での処置は手術ではなく、特殊な装具を装着しての保存的治療であった。以後、彼女は装具を装着したまま不自由な生活を続け、頻繁に発生する膝関節の捻挫と症状に耐え続けていた。2005年3月26日、特殊装具を装着していたにもかかわらず再度、左膝を激しく捻挫し、全く歩くことが出来なくなった。2005年4月2日、選手復活をすでに諦めていた彼女とそのご両親は、せめて高校生活最後の体育祭出場と、将来の正常な日常生活を願いオフィスを訪れた。

 現在の日本では、整形外科と手技療法家の情報交換は不可能であり、したがって当オフィスにおいても彼女の膝関節内部の状況を視覚化することは不可能であったため、その施術結果は、全く予想できないことをご両親に告げて施術が開始された。

 整形外科テスト:
 ラックマンテスト (−) 若干の不安定性
 マクマレーテスト (+) 内旋位での伸展で内外側に鋭い痛み、クリック音なし
 アプレーテスト  (+) 牽引圧縮共に痛みが発生する

 FDM鑑別システム:
 ☆損傷のメカニズム☆
  ・2004年5月9日 着地時に膝を過剰に外反させた。
  ・以後膝関節の不安定感を常に感じ、捻挫を繰り返した。
  ・2005年3月26日 関節の不安定が生じ、関節を捻った。方向はわからない。

 ☆主観的所見☆
  ・膝窩部の鋭い痛み
  ・膝全体の痛み
  ・内外側の突っ張るような痛み
膝のスポーツ障害
 ☆客観的所見☆
  ・松葉杖を使い左足を地面に着くことが出来ない
  ・顕著な腫脹(内外側)
  ・屈曲、伸展制限 膝関節を約160度で保持し、全く動かさない
  ・膝を抱える動作 不可
  ・踵を臀部に着ける動作 不可
  ・しゃがむ動作 不可 約一年間しゃがんでいない
  ・説明しにくい痛み
  ・左足が右足より明らかに細い

 ☆ボディーランゲージ☆
  ・膝を掌で覆う
  ・膝の内外側、後面を指で撫でる動作


 Explanation 解説
 この症例では、彼女の症状が度重なる捻挫から生じた複数の損傷の集合体であることが想像できる、しかし、それらの損傷から二次的に発生した症状がないこと、そして膝の可動制限は関節の固着ではなく他の筋膜ディストーションからの痛みによるものであることから、約一年間に及ぶ急性損傷であることが判断できる。これはFDMテクニックによる瞬間的治癒を予想させる。また彼女の“膝を掌で覆う”動作、“膝関節の不安定感を常に感じ、捻挫を繰り返した”と言う病歴から、膝関節周囲の筋膜組織の三次元的変化、すなわちフォールディングディストーションの存在が、“内外側の突っ張るような痛み”と“膝の内外側、後面を指で撫でる動作”から直線的筋膜線維の変化、トリガーバンドの存在が、そして痛みによる“屈曲制限”から膝窩部の組織と骨の間に存在する移行ゾーンの変化、コンテニアムディストーションの存在が明らかとなる、そして更に、長期にわたる装具、サポーター、テーピングの使用から円筒状筋膜の変化、シリンダーディストーションの存在が明確となる。

 Treatment 施術
 まず最初に、彼女の膝関節の屈曲と伸展を制限している膝窩部のコンテニアムディストーションと最初のアクシデントで発生した膝窩部のトリガーバンドがそれぞれのテクニックにより正常化された。コンテニアムディストーションは、膝窩部の奥深く、大腿骨表面に存在しており、その部位を矯正するため親指先端が、膝窩部深くへと無理やりスポーツ障害の治療挿入された。次にあらかじめボディーランゲージによって認識されていた膝窩部のトリガーバンドのスターティングポイントを親指先端で正確に捉え、歪曲を掘り起こし、そしてその経路に沿って矯正が行われ、正常化された。それらの矯正に伴う痛みは想像をはるかに超えている。直後に顕著な内出血が認められた。しかしながらこれは、正しく矯正が行われたことを意味し、望ましい結果が予想された。その直後から彼女は膝関節を完全に伸展させ、踵を臀部に押し付け、正常に、杖を使うことなく歩くことが出来るようになった。次に膝関節内外側に生じていたトリガーバンドも同様に矯正され、即時の内出血と明確な症状の消失を得た。そして両手掌面によるシリンダーテクニックを行った時点で彼女は軽く走れるほどに回復していた。その間およそ20分、矯正に要した時間はおよそ5分ほどであった。
 先に述べたように、現在では手技療法家と整形外科の情報交換は行われない。したがって彼女の関節内部の状況がどのような状態であるか明確ではないため、膝関節の攻撃的な牽引を必要とするフォールディングディストーションへのアプローチを次回に見送り、彼女の経過を観察するため、初回の施術を終了した。

スポーツ障害の治療後 2005年4月5日、彼女は装具、松葉杖をつくことなく、正常に歩いてオフィスを訪れた。三日前の施術以来、殆どの症状は消失し、関節の不安定感はまだ発生していないと報告した。そして翌々日、4月7日、フォールディングディストーションに対する矯正が行われ、更なる数回の施術で終了した。

 Result 結果
 2005年5月12日に電話による確認では、本来、選手生活を諦めていたNSさんであったが、2005年度のインターハイ予選では、長期にわたる損傷から、若干の筋力低下はあったものの、支障なくプレーすることが出来たと報告した。

右の写真は、損傷していた足で飛び跳ねるNSさんを撮影したものである。
この写真からでさえ、右足と比較し、左足の細さが認識できる。

 Conclusion 結論
 冒頭で述べたように、膝関節の損傷のみならずあらゆる部位の疾患において、手術を必要としない損傷、或いは手術により完全に修復されたにもかかわらず、症状が消失しない損傷に悩む患者さんの数は決して少ないとは言えない。それは現代の科学的検査器具では視覚化できない損傷の存在を強く物語っている。そしてそれらの損傷を的確に判断し、直接的に解決する方法は一般的には存在していない。
ファッシャルディストーションモデルは、決して現代医療に取って代わるものではない。それはむしろその基盤の下に成り立っていると言える。そしてそれは現代医療の隙間に存在する損傷に対し、重要な役割を担う分野である。

 注記
 この文章はFDMの創始者スティーブン・ティパルドス,D.O.の同意の下に書かれています。
 FDM鑑別システムに関する詳細は、2005年7月30日、31日に行われる“FDM レベル1スペシフィックセミナー”で詳しく解説されます。

 参考書籍
 FDM 医学と外科的処置の実践範囲内における
 ファッシャルディストーションモデルの理論的、 臨床的応用 第四版

  著者 スティーブン・ティパルドス,D.O.   翻訳 田中啓介,FDM.O. 


 ファッシャルディストーションモデルFDM)とは、救急現場でのオステオパシーの臨床から開発された、オステオパシーの最新手技技術です。アメリカやヨーロッパの国々のみならず、世界中のオステオパシー学会や医療関係者から注目され、普及しつつある、新しい分野です。FDM アジアン アソシエイションは、FDMの普及を支援するFDM国際連合(FIF)の一員として活動を行っています。
管理者 FAA事務局長 岩田宏平 (いわたこうへい)
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